心身のダイエットパーソナルコーチのパレオドクタ―崎谷です。
関節リウマチなどの自己免疫疾患とよばれる慢性炎症で、高価な新薬(生物学的製剤)が使用されています。
この新薬を摂取すると、運動の内臓脂肪を減らす効果がなくなることが臨床実験で分かりました(Cell Metabolism,online 27 December 2018)。むしろ内臓脂肪を増やすのです。。。。
さらに、この新薬はコレステロールの量も増やしたということですので、ストレスになっているということです(コレステロールには強力な抗ストレス作用がある)。
さて、この自己免疫疾患で使用されている新薬は炎症の場で炎症を加速させる「インターロイキン6(IL-6)」という物質(サイトカイン)をブロックする作用があります。
実際に心臓血管疾患、糖尿病、肥満などのメタボでは、この「インターロイキン6(IL-6)」の血液濃度が高くなっているので、このような新薬が開発されたのです。
しかし、この「インターロイキン6(IL-6)」という物質をブロックすると、運動の効果がなくなり、内臓脂肪が増えたということは・・・・・
内臓脂肪を減らすのに「インターロイキン6(IL-6)」という物質が一役買っているということです。
炎症をオンにする物質が内臓脂肪を減らす・・・・・・?
それでは内臓脂肪を減らすには、炎症を起こさせた方がよいのかというと、そうではありません。
炎症こそは内臓脂肪の原因です!(^^)!。
では、この結果はどのように解釈したらよいのでしょうか?
拙著『新・免疫革命』で詳述いたしましたが、どのような物質も場によって作用が変化します。
インターロイキン6(IL-6)も炎症の「場」では炎症をさらに悪化させる働きをしますが、運動している「場」では、内臓脂肪を減らす作用をするのです。
これを物質の「コンテキスト依存」といいます。
ある物質に注目して、それを操作するというのは、物質の「コンテキスト依存」性を考慮すれば大変危険なことだと分かります。
なぜなら、物質はそのおかれる場(コンテキスト、環境)によって作用が正反対になるからです。
その物質の特性ではなく、「場」が物質を決定するということです。
今回の研究は、物質の「コンテキスト依存」性をわかりやすい形で説明してくれました(^○^)。