最近は遺伝子と腸内細菌のネタしかないのかというくらい基礎医学研究の方向性が怪しくなっています。
それは米国(NIH)の国家プロジェクトだからなのですが・・・・
今回はご紹介するのはカナダの腸内細菌に関する奇怪な研究結果 (*^。^*)。
ハウス・クリーナーを頻繁に使用する家庭に育った乳児は3歳の時点でそうでない家庭に育った乳児よりもボディマス指標(BMI)が高かったといいます(Canadian Medical Association Journal, 2018; 190 (37): E1097)。
そしてそれには腸内バクテリアの変化が関係していると・・・
ハウス・クリーナーを最低でも集1回使用すると、ある腸内細菌(Lachnospiraceae)が2倍になるといいます。
これでもってハウス・クリーナーが乳児の腸内細菌を変化させて肥満にさせる・・・・(ハウス・クリーナーは抗菌剤が入っているから)
というのもちょっと行き過ぎの推測ですね(*^。^*)。
まずボディマス指標(BMI)は、肥満、とくに病的な肥満の指標になり得ません。なぜなら筋肉量が増加してもボディマス指標(BMI)は高くなるからです。
・ボディマス指標(BMI)の増加=脂肪が増えた
ではありません。
そしてハウス・クリーナー使用と乳児の腸内細菌のダイレクトな関係を証明したものではありません。
ハウス・クリーナー使用しているグループを調べると、たまたまある種の腸内細菌が多い傾向にあったという事実しかないのですね(これを相関関係といいます)。
興味深いことにエコマークのついたクリーナーだと逆に過体重になりにくい傾向にあったそうです。
この場合もある種の腸内細菌(Enterobacteriaceae)が少なくなる傾向にありましたが、このバクテリアが肥満を起こすというダイレクトのエビデンスはないとはっきり書いていました・・・
そしてさらに興味深いことに・・・・
エコマークのついたクリーナーで過体重になる傾向が低いのは、そういう過程では母親のライフスタイルや食事がより健康的である可能性がある。
そして、それが乳児の腸内細菌を変化させている可能性あるとしています。
OMG!
それではハウス・クリーナーとは肥満は直接関係ないじゃないかー
と叫びたくなりますよね!(^^)!。
本当に突っ込みどころ満載ですが・・・
何でも腸内細菌に絡ませないと研究費がおりないというシビアの事情だけが伺えた論文でした!(^^)!。