日本では特定保健指導として肥満・糖尿病・心臓血管疾患などのいわゆるメタボリック・シンドローム(日本ではなぜかこれらだけが生活習慣病と名付けられている)予防のための健康診査が行われています。
「メタボ健診」と呼ばれているものです。
医療保険に加入している 40~74 歳の方を対象に、ウエスト周囲径・血圧・血糖・脂質などの検査をしています。
現場をまったく知らない厚生官僚たちは、このような手前みその検査をして、生活習慣の指導や薬を渡すだけで、医療費が節約できると信じています。
検査をするのは厚生官僚の勝手でしょうが、それで異常が出た場合の根本的治療法が現代医学ではありません。
とくに団塊の世代以降の方たちは、「いや、糖尿病やコレステロール値を低下させる薬がある!」と呟かれるかも知れません。
これらの医薬品は、対処療法どころか、むしろ病態を悪化させていきます。
その証拠に、このメタボ検診に医療費抑制効果がないことが疫学的調査で明らかにされています(Impact of the national health guidance intervention for obesity and cardiovascular risks on healthcare utilisation and healthcare spending in working-age Japanese cohort: regression discontinuity design. BMJ Open. 2022 Jul 29;12(7):e056996)。
日本全国で導入されているメタボ健診における特定保健指導が、医療機関の利用および医療費に及ぼす影響を調査するため、後ろ向きコホート研究を実施しています。
対象は、2014年1〜12月にメタボ健診を受けた11万3,302例(40〜74歳)のうち、ウエスト周囲径がカットオフ値(男性85cm、女性90cm)の±6cmであった5万1,213例(年齢中央値50歳、女性11.9%)。
その結果、メタボ健診によって、外来受診率の低下は認められましたが、医療費抑制効果は認められませんでした。
メタボ健診は、医療費抑制が目的なので、そのエビデンスがなければ、即刻中止しないと税金の無駄遣いになります(日本の場合、官僚たちの小さな利権が絡んでいるため、一度決定したことはなかなか変更できない)。
これをもってメタボ健診ではなく、一般健康診断の必要性を強調するむきもありますが、健診自体に病気を予防したり、根本治癒させたりする効果などありません。
過去記事でも繰り返しお伝えしている通り、X線やCTなどの悪影響を及ぼす検査をしなければならない健診では、むしろ病態を作る方に加担します。
私たちがコビット劇場を経験して得たものは、現代医学は♨️権力者の従順な道具だということだったはずです。
健診あるいは福祉という名の税金の無駄遣いにもメスを入れて行かないといけません(^_−)−☆。
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