パレオドクター・ヒロのブログ

ダイエット:引き締まった心身を創る

『集中力がなくなるのはなぜ?』

心身のダイエットパーソナルコーチのパレオドクタ—崎谷です。

 

 



みなさんは、いつも集中力を発揮しなければならない時には、自然とできているでしょうか?

 

 

 

 

 

ここ一番というときに、集中力が発揮できるかどうかが物事の成就に関わってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

これは学生でも社会人でも同じですね。

 

 





さて、世の中には「気をそらすもの(distraction)」がたくさんあります。

 

 

 

 

 

 

 

このような“誘惑”に打ち勝って、物事を成就させるには、やはり糖のエネルギー代謝が必要であることを間接的に証明した臨床実験が報告されています(NeuroImage, 2019; 202: 116098)。

 

 

 

 

 

実験では、腸チフス菌ワクチン(salmonella typhoid vaccine)を打った人と水だけをプラセボplacebo)として打った人の集中力(visual attention)を調べています。

 

 

 

 

 

 

なぜ腸チフス菌ワクチンを使用したかというと・・・・・

 

 

 





ワクチンは全身に炎症を引き起こすため、炎症が集中力に及ぼす影響を調べる目的で使用されたのです。

 

 

 

 

その結果は・・・・・

 

 

 

ワクチンを打ったグループでは、覚醒して集中する機能が低下していました。

 

 

 

 

 

 

 

英語では集中力がないことを「mental sluggishness」あるいは 「brain fog」と言います。

 

 

 

 

 

 

 

炎症は集中力を欠かせるということですね。





基礎医学では、「炎症」は糖のエネルギー代謝低下の部分症状ということをお伝えしています。

 

 

 

 

つまり、ワクチン接種でも糖のエネルギー代謝が高くてい炎症が起きなければ、集中力が削がれる事はないという事です(現代人ではこのような人はほとんどいません)。

 

 

 

 

 

 

若い時の方が集中力は持続したのも、この糖のエネルギー代謝の高さによるものです。

 

 

 





という事は・・・・・

 

 

 

 

老化現象のないハダカデバネズミは、非常に高い集中力を持っているはずですね(^_−)−☆。

 

 

『イチョウの葉エキスは脳に良いのか?』

心身のダイエットパーソナルコーチのパレオドクタ—崎谷です。

 

 

 

イチョウの葉エキス(Ginkgo biloba extract (GBE))について厚生労働省の「統合医療」情報発信サイトには、以下の様にまとめています(2019年11月14日現在)。

 

 

 

(転載開始)

·       いかなる健康状態についてであれ、イチョウが有用であるという決定的なエビデンスは存在しません。

 

 

·       イチョウは、米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)が一部資金提供し、3000人以上の高齢者が登録した長期的イチョウの記憶への影響評価研究(the long-term Ginkgo Evaluation Memory Study)を含む臨床試験において、認知症または認知機能低下を予防または抑制しませんでした。

 

 

·       イチョウが、健常者の記憶増強、血圧、間欠性跛行、耳鳴り、加齢黄斑変性症、心臓発作または脳卒中のリスク、または他の状態に有効であるという確固たるエビデンスはありません。

 

 

·       進行中のNCCIHが出資する研究は、イチョウに含まれる化合物が糖尿病に有効であるかどうかに着目しています。

 

 

(転載終了)

 

 

というネガティブな記載でした。

 

 

しかし・・・・・

 

 

実際に最新のイチョウの葉エキス(GBE)の脳そして認知機能に対する効果は動物実験および臨床試験共に認められているというデータしか見当たりませんでした(Oxid Med Cell Longev. 2019; 2019: 9695412)(Neurotherapeutics. 2019 Jul;16(3):666-674)(J Alzheimers Dis. 2015;43(2):589-603)。

 

 

 

 

 

イチョウの葉エキス(GBE)は、ミトコンドリアの機能を高め、一酸化窒素(NO)、エストロゲンの合成あるいは脂肪新生を抑えるので、リーキーガット、肥満や不眠だけでなく、ガンにも有効であることが報告されています(Molecules. 2019 Apr; 24(8): 1496)(Pharmacopsychiatry. 2001 Mar;34(2):50-9)(Food Funct. 2015 Feb;6(2):470-8.)(Front Endocrinol (Lausanne). 2019 May 10;10:284)(Front Pharmacol. 2019 Jun 14;10:686)。

 

 

 

 

イチョウの葉エキス(GBE)にはフラボノイドとよばれるファイトケミカルが複数混在しているので、中にはエストロゲン作用を持つものがあるはずです。

 

 

 

 

 

 

しかし、総合では逆にアロマテースという体内のエストロゲンの産生をアップさせる酵素をブロックすることで、エストロゲンを低下させるようです(Food Chem Toxicol. 2016 Jan;87:157-65)( Environ Health Toxicol. 2016 May 9;31:e2016010)。

 

 

 

 

 

 

 

私は基本的に大量生産のサプリメントでの形態では使用しませんが、汚染の少ないイチョウの葉からご自分で抽出したものをたまに摂取するのは良いかも知れません(抽出方法はご自分で調べてください(^_−)−☆)。

 

 

 

 

野菜(汚染が少ない)も葉物は食べずに茹でた汁を飲むと良いのと同じですね。

 

 

 

 

 

 

今回は私も当初は抽出物には副作用が少なからず伴うと考えていましたが、イチョウの葉に関しては、致命的な副作用はないようです。

 

 

 

 

 

ただし、どのようなもの過剰摂取は必ず副作用を伴いますのでご留意ください。

 

 

『解熱剤を使用してはいけない理由』

心身のダイエットパーソナルコーチのパレオドクタ—崎谷です。

 

 

 

 

高熱が出ると待てない人は、解熱剤を使用したがります。

 

 

 

 

現代では、少し熱っぽい感じがしても「予防的」に解熱剤を薬局で買って飲む習慣がある人がいます。

 

 

 

 

 

 

いずれも「自然治癒」の過程を待てない心理があるからですね。

 

 

 

 

 

この“忍耐力のなさ”は、近現代の糖のエネルギー代謝の低さが原因となっています(^_−)−☆。

 

 

 

 

 

さて、加工食品は体内に入れるのは危険であることを述べてきました。

 

 

 

 

 

医薬品も“超”加工品の代表選手です。

 

 

 

 

 

それだけでなく、医薬品の有効成分そのものも問題になることが多いです。

 

 

 

 

 

 

今回は、その薬局やクリニックなどで頻繁に出されている解熱剤についての問題報告がありました(JAMA Psychiatry. 2019 Oct 30:1-11)。

 

 

 

 

 

その解熱剤とは「アセトアミノフェン(acetaminophen)」。

 

 

 

 

 

商標名は「カロナール」です。





「ホルモンの真実シリーズ」でもこの薬剤の恐ろしさを伝えてきましたが、今回の研究では、妊婦のアセトアミノフェンの曝露によって、多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder (ADHD) )および自閉症スペクトラム(autism spectrum disorder (ASD))の発症リスクが2~3倍になることが確かめられました。

 

 

 

 

 

今回の研究では、臍帯血のアセトアミノフェン(およびその代謝産物)濃度を調べています。

 

 

 

 

 

アセトアミノフェン摂取量に依存して、自閉症リスクが高まることが判明しています。

 

 

 

 

 

 

 

アセトアミノフェンは、自閉症うつ病、自殺・他殺などの原因物質の産生を高めるからです。

 

 

 

 

 

 

なぜこのような危険な薬が、解熱剤の中で“最も安全”であるというような迷信が作られたのでしょうか。

 

 

 

 

人間は迷信の塊ですが、これもプーファ摂取量依存性にその迷信リスクが

高まります(^_−)−☆。

 

 

 

 

 

 

これからインフルエンザの季節といつも喧伝されます。



高熱が出るインフルエンザでは特にこのような解熱剤を摂取することは成人でも危険であることを再認識しておきましょう。

 

『糞便の経口摂取は有効か?』

心身のダイエットパーソナルコーチのパレオドクタ—崎谷です。

 

 

 

 

糞便移植(FMT)という治療が危険な副作用を伴うことをお伝えしました。

 

 




実は、他人の糞便をカプセルに入れて飲み込むという経口摂取療法があります・・・・・・(^_^;)

 

 

 

 

 

ちょっと想像しただけでも、尋常ではないですよね。

 

 

 

 

 

「冷凍糞便(FMT)カプセル」が使用された症例で、やはり敗血症になり死亡した事例が報告されました(N Engl J Med. 2019 Oct 30.)。

 

 

 

 

C型肝炎ウイルス感染症による肝硬変および骨髄異形成症候群(MDS)の2症例の報告です。

 

 

 

 

 

いずれも糞便カプセルの経口摂取前に存在しなかった大腸菌の存在が確かめられました。

 

 

 

 

 

この大腸菌は、ESBL産生大腸菌と呼ばれています。

 

 

 

 

 

ESBLは、基質特異性拡張型βラクタマーゼ(Extended spectrum β-lactamases:ESBL)とよばれる酵素のことです。

 

 

 

 

ESBL産生大腸菌は、薬剤耐性菌の一種であり、大腸菌の他にも肺炎桿菌、プロテウス・ミラビリス等の腸内細菌から多くこの酵素が検出されています。

 

 

 

 

 

 

論文では、健康人の便のスクリーニングがしっかりできていなかったことを問題視しています。

 

 




しかし、問題の核心はそこにあるのではありません。

 

 

 

 

 

他人の腸内では問題を引き起こさなかったバクテリアでも、移植されるとそこで問題を引き起こす可能性があること。

 

 

 

 

 

これは糖のエネルギー代謝が低下している場合に顕著です。

 

 

 

 

 

 

さらには、移植を受けることによって、上記の様な新たなバクテリアが増殖を始める可能性があるということです。

 

 

 

 

 

つまり、今回も糞便カプセルに提供した人の便の中にも、ESBL産生大腸菌は存在せず、移植先で発生した可能性があるということです。

 

 

 

 

 

 

これは他人の便が入ってきたことで、腸内環境という「場」が変化したことで起こる生命現象です。

 

 

 

 

 

基礎のサイエンスという土台がないところでは、今回の糞便移植(FMT)の様な安易な発想が惨事を招くことになります。

 

 

 

 

 

これも基礎的な生命現象の知識の欠如による“想像力”の低下の部分現象と言えるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 




『他人の糞便の移植は安全か?』

心身のダイエットパーソナルコーチのパレオドクタ—崎谷です。

 

 

 

 

 

みなさんは、腸の難治性の感染に対して、糞便移植(Fecal microbiota transplant (FMT))という治療が実際に医学の現場で行われていることをご存知でしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

これは健康人の便を大腸に移植する(大腸ファイバーで便を入れる)ことで、感染症を治療しようとする試みです。

 

 

 

 

 

健康人の腸内細菌の増殖を期待して、腸に炎症を引き起こしているバクテリアを抑えてもらおうという発想です。

 

 

 

 

 

 

この治療が選択されるのは、すでに抗生物質の過剰投与によって、多剤耐性菌(Clostridium difficile)が発生している場合です。

 

 

 

 

 

もうどの抗生物質にも反応しなくなった状態ですね。

 

 

 

 

 

さて、この治療はうまくいくのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

いくつかの臨床実験でも糞便移植(FMT)の有効性が報告されています(PLoS One. 2019 Jan 23;14(1):e0210016)(Clin Gastroenterol Hepatol. 2019 Apr 19)。

 

 

 

 

しかし、とうとうFDA(米国食品医薬品局)は、糞便移植(FMT)によって敗血症になり死亡した事例を通達・警告しました(June 13, 2019)。

 

 

 

 

糞便移植(FMT)によって敗血症(エンドトキシン血症)になったり、ウイルス感染症になったりした事例がすでに報告されています(Current opinion in pharmacology. 2019;49:29-33)(Expert Rev Clin Immunol. 2019 Oct;15(10):987-989)。

 

 

 

 

 

実際に、副作用が頻発したり、悪化した結果が出たりした臨床試験は途中で中止されています(研究論文が発表されるのは、期待通りにいった氷山の一角で、ほとんどは失敗しているのでお蔵入りになっている)。

 

 

 

 

特に、免疫抑制がかかっている(オメガ3、鉄剤やステロイド投与)様な糖のエネルギー代謝が低下している人に、糞便移植(FMT)を行うとエンドトキシン血症になって致死的になります。

 

 

 

 

なぜでしょうか?

 

 

 

 

それは、いくら健康人の便とはいえ、そこにはバクテリアが無数に存在するからです。

 

 

 

 

健康人の腸内では、悪影響を出さなかった(あるいは悪影響があるから排泄された)バクテリアが他の人の腸内で悪影響を与えないという保証は全くありません。

 

 

 

 

 

なぜなら・・・・・

 

 




腸内細菌に、善玉も悪玉もなく、過剰増殖すると健康人においても、リーキーガットおよびエンドトキシン血症になるからでした(拙著『慢性病は現代食から』参)。

 

 

 




糞便移植(FMT)は、根本治療にはなり得ず、場合によっては、致死的な副作用をもたらすのです。

『不安解消は深い睡眠から』

心身のダイエットパーソナルコーチのパレオドクタ—崎谷です。

 

 

 

 

みなさんは、体調によって心配事が多くなるというご経験はないでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

私はこの歳になって、体調の悪い時には、心配事が多くなることに気づきました。

 

 

 

 

 

 

 

特に睡眠がほとんどとれなかった時には、次の日のパフォーマンスが落ちるだけでなく、些細なことで感情が揺さぶられる傾向にあります。

 

 

 

 

 

 

その逆も真で、心配事があると睡眠が妨げられるのですが・・・・

 

 

 

 

最新の研究で、深い睡眠は感情・情動をコントロールする部位の脳(内側前頭前野、medial prefrontal cortex)が活性化することが報告されました(Nat Hum Behav. 2019 Nov 4)。

 

 

 

 

 

 

逆に不眠では、この脳部位が不活性化し、感情・情動のコントロールが失われたのです。

 

 

 

 

 

 

 

冷静に物事を俯瞰するには、感情・情動をコントロールしなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

そのためには、まずは夜にぐっすり眠ることだということですね(^_−)−☆。

 

 

 

 

 

 

心配事が募ると夜も眠れなくなります。

 



 

 

 

熟睡できないとさらに心配事が募るという悪循環・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

この悪循環を断つには、まずはしっかりと睡眠をとる工夫から始めてみましょう。

 

 

 

 

『SIBOを劇的に解決する方法とは?』

心身のダイエットパーソナルコーチのパレオドクタ—崎谷です。

 

 

 

 

 

今や慢性病の発症と増悪の大半に関与していると証明されているのが、SIBO(小腸腸内細菌異常増殖症)です。

 

 

 

 

 

潰瘍性大腸炎クローン病などの炎症性腸疾患だけでなく関節リウマチなどの自己免疫疾患でもSIBOが認められます。

 

 

 




私はあるときに、SIBOを併発している疾患が、エストロゲンと関係していることに気づきました。

 

 

 

 

 

 

以前のパレオ協会のニュースレターでカンジダの増殖を調べていた時です。

 

 

 

 

 

カンジダエストロゲンがあると増殖し、組織に浸潤していきます。

 

 

 

 

 

 

 

そして実際にエストロゲンが主要因である自己免疫疾患では、SIBOを併発しているのです。

 

 

 




ということは・・・・・

 

 

 





エストロゲンが低下すれば、慢性病もSIBOも同時に根治させることができるのではないかという考察が成り立ちます。

 

 

 

 

 

 

実際に、アンドロジェンを高めてエストロゲンを相対的に低下させると、SIBOが改善することが報告されていました(Med Hypotheses. 2017 Nov;109:90-94)(Indian J Exp Biol. 2010 May;48(5):453-65)。

 

 

 

 

 

ちなみに、アンドロジェン(特にDHT)は、インシュリン感受性を高めるために糖尿病でも有効です。

 

 

 

 

慢性の便秘やSIBOで悩んでいる人は、まずはエストロゲンに暴露しないことから始めましょう(^_−)−☆。

 

 

 

 

もちろん毎日の排便は最も大切です(^_−)−☆。