心身のダイエットパーソナルコーチのパレオドクタ―崎谷です。
ジムでは8割の人はプロテインをトレーニング中に飲んでいます。
かくいう私も10年前にプロテインを飲んでいたことがありました。
大きな袋にかなりの量が入っていて安かったイメージがあります。そのときは飲んでいて効果も感じなかったこともありますが、何よりも味(人工甘味料)が嫌になってやめました。
そのプロテインの質についての最新レポートが出ましたので、概要をシェアいたしますね(LWT, 2018; 97: 10)。
まずプロテインサプリができるまでの話です。
まず大豆、肉、ミルクなどからタンパク質を抽出するのに、酵素や化学物質(あるいはフィルターをかける)を使用しますが、そのときに熱を加えます。そして抽出したタンパク質中の水を飛ばすために乾燥させます。
このときにも熱を加えます。この乾燥と熱によってタンパク質が変質します。170℃の熱を加えると30%のタンパク質は変性します(260 °Cでは約半数のタンパク質が変性)。
さらに保存のときの温度や湿度も問題になります。
1年も保存しているとタンパク質中のリジン(コラーゲンに豊富に含まれる)がかなり失われます。
タンパク質の質を見るときには多くの研究は、タンパク質中のリジンンというアミノ酸の量を測定しているようです。
このように熱、乾燥、保存によってプロテインサプリのタンパク質は変性してしまいます。そしてタンパク質中のアミノ酸そのものがいわゆる「メイラード反応」を起こします。
その先にあるのが終末糖化産物(AGEs)という物質。タンパク質が危険な物質へと変化します。
この終末糖化産物(AGEs)は炎症ゴミとして認識されますが(『新・免疫革命』)幸いにして食べ物から入ってきた場合はほとんどが便に排出されます(*^。^*)。
ただし、リジンと乳糖が結合した物質は、吸収も悪くなり、かつミネラルをキレートして吸収できなくしてしまいます。
つまり、プロテインサプリが変性すると、
・アミノ酸の吸収が低下する
・ミネラルの吸収が悪くなる
といった副作用をもたらします。
さて、52のプロテインサプリメントを解析した結果、半数はリジンの含有量は6%を超える程度。20%を超えるリジンを含むサプリはわずか9%しかありませんでした。
特にホエイプロテインやカゼインプロテイン単独のサプリでは、リジンの量が少なかったようです。
つまり、かなり熱・乾燥処理や保存期間が長くなることで、多くのプロテインサプリにタンパク質の変性が起こっているということです。
基礎医学のタンパク質講座でお伝えしたように、利用効率(摂取したものが体の構成成分になる)がもっと悪いのはプロテインサプリ(利用効率15%程度)。その次に悪いのが大豆のタンパク質(利用効率18%程度)。
なぜプロテインサプリは動物性タンパク(利用効率は30%前後)なのに、利用効率が低いのか以前から不思議に思っていました。
しかし、これでその理由が分かりました!(^^)!。
タンパク質がサプリの生成過程・保存過程で変性して吸収されなくなるからなのですね。
これは非常に勉強になりました(^○^)。
いつもお伝えしているのですが、プロテインを飲むくらいなら、卵の黄身を食べましょう(利用効率は倍以上高い)。
何でも自分で調べてみるものですね。
(PS)現在、このタンパク質講義を含めた基礎医学講座をブラシュアップしてDVD化する作業をしております。どうぞ楽しみにお待ちください(^○^)。