パレオドクター・ヒロのブログ

ダイエット:引き締まった心身を創る

『脂肪がつくと思考が鈍る理由』

 

 

肉体的疲労はなんとか精神を集中すれば持ちこたえられますが、精神的疲労の場合は極端に集中力が落ちます。

 

たいてい、車で自分の不注意によって事故したりするときは、精神的な疲労、つまりストレスが原因となっています。

 

肉体疲労は寝ると回復しますが、精神的なストレスはそもそも不眠になりますよね。いかに精神的なストレスが体に影響しているかは私たちの顔にも出ているくらいです。

 

注意、思考や判断といった脳の機能は全身の糖のエネルギ―代謝と密接に関係しています!(^^)!。

 

今回、高脂肪食で肥満になると、注意、思考や判断といった認知機能が著明に低下することが報告されました(Journal of Neuroscience 10 September 2018, 0789-18)。

 

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脳にもゴミ掃除役の白血球(マクロファージ)が存在しています。

 

この脳の掃除役をマイクログリア(microglia)といいます。高脂肪食では全身に慢性炎症を引き起こします(『続・免疫革命』に詳述します)。

 

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当初はこの全身の炎症が脳にも波及すると考えられていましたが、最近の研究では、脳が他の臓器に先駆けて炎症を起こすことが示唆されています。

 

今回の研究では、脳の海馬という記憶に関わるとされる部分の神経細胞突起がマイクログリアによって食べられてしまうことが示されています。

 

その他、今までの研究では脳の視床下部(ホルモン・自律神経のセンター)や前頭葉(思考の中枢)に炎症が起こることが報告されています。

 

脳の炎症が先に起こって、それが膵臓や肝臓に影響して糖尿病、肥満などのメタボが起こるかどうかは分かりません。

 

しかし、いずれにせよ、「体に脂肪がつくと脳に炎症が起こって思考が鈍る」ことは間違いない事実でしょう(#^.^#)。

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高脂肪食の現代食に要注意ですね(^○^)。